公開日 2025年5月24日 最終更新日 2025年5月24日
ポジションは伝えてこそ意味がある
ビジネスにおいて「自社の強み」や「差別化ポイント」を持っていることは重要です。
しかし、それ以上に重要なのは、その「違い」をしっかりと伝えられているかどうか。
実は多くの事業者が「差別化できているつもり」という落とし穴にはまっています。
あなたがどれだけ独自性のあるサービスを提供していても、それが読者やお客様に伝わっていなければ、ただの「同じようなサービスの一つ」として認識されてしまいます。
結局のところ、お客様にどう見えているかがすべてなのです。
ポジショニングをして直ぐにその言葉で伝えはじめた途端にお問い合わせがきたクライアントがいます。
それまでぼんやりとしていた言葉が、ペルソナに響く言葉になったのです。
ポジショニングは頭の中だけで完結するものではなく、「伝える」ことで初めて意味を持ちます。
では、なぜ多くの人の「違い」は伝わらないのでしょうか?
違いが伝わらない3つのよくある原因
① 言語化が抽象的すぎる
「私は丁寧に寄り添います」
「質の高いサービスを提供します」
「お客様第一を心がけています」
こういった表現を目にした時、あなたは具体的にどんなサービスを想像できますか?
おそらく、ほとんど何も浮かばないでしょう。
これらは抽象的な表現で、受け手に具体的なイメージを与えられないからです。
抽象的な言葉は、誰にでも当てはまる一方で、誰の心にも響かない言葉です。
特に「丁寧」「寄り添う」「お客様第一」といった言葉は業界問わず多用されるため、むしろ「違い」を消してしまう言葉になっています。
抽象的な誰にでも使えることばより、ペルソナにグサッと刺さる、「私に必要だ」と思われる言葉を使うことが重要です。
② 競合と同じ言葉を使っている
同じ分野で活動する人たちのプロフィールやサービス説明を見てみると、しばしば同じような肩書きやキーワードが並んでいることに気づきます。
例えば:
- 「〇〇専門家」
- 「〇〇コンサルタント」
- 「初心者でも安心」
業界内でよく使われる言葉を使うと、差別化どころかむしろ「同じ」印象を強めてしまいます。
競合と同じ言葉で自分を表現していては、お客様の目にはほとんど違いが見えません。
③ 伝える媒体・タイミングがずれている
あなたの違いをしっかりと言語化できていたとしても、それを適切な場所で伝えていなければ意味がありません。
よくある失敗は:
- プロフィール文に差別化ポイントを入れていない
- 商品・サービスページだけで伝えようとしている
- SNSでは全く触れていない
- 初回接触時に伝えていない
お客様がどのタイミングで、どの媒体であなたと出会うかによって、伝えるべき内容も変わってきます。
あらゆる接点で一貫して「違い」を伝える必要があるのです。
違いを"伝わる言葉"に変換するには?
① 抽象語を具体化する
抽象的な表現は、具体的なものに置き換えましょう。例えば:
- 「サポートが手厚い」→「仕組み構築コースは個別コンサル無制限、個別チャットも無制限」
- 「丁寧に指導」→「Zoomで画面共有しながら操作をサポート」
- 「効果が高い」→「平均して3週間で〇〇の数値が20%向上」
具体化するポイントは、数字・具体的な行動・実際の事例などで置き換えることです。
「何を」「どのように」「どれくらい」という要素を入れることで、抽象的な表現が一気に伝わりやすくなります。
② お客様の言葉で言い換える
あなたのサービスの価値を最も的確に表現できるのは、実はあなた自身ではなく、お客様かもしれません。
過去のお客様からのフィードバックや感想、よくある質問などを分析してみましょう。
特に「他のサービスと何が違うんですか?」という質問への回答や、「なんか他と違うと思った」という感想は、あなたのポジショニングを言語化する上で宝のような言葉です。
お客様が感じた「違い」こそが、あなたが強調すべきポイントなのです。
例えば:
- お客様から「わかりやすく説明してくれるので安心感がある」と言われたら→「専門用語を使わず、図解でシンプルに解説」
- 「いつも的確なアドバイスが助かる」という声があれば→「10年間で500件以上の相談から得た経験を活かした実践的アドバイス」
③ 発信に一貫性を持たせる
せっかく言語化した「違い」も、一度だけ伝えただけでは印象に残りません。
あらゆる接点で一貫して伝えることが重要です:
- SNSのプロフィール
- ウェブサイトやランディングページ
- 商品・サービス説明
- 名刺
- 自己紹介
- プレゼンテーション資料
特に重要なのは、肩書きやキャッチコピーにあなたの違いを反映させること。
誰に何をどのように提供するのかが伝わる表現にしましょう。
ポジションは"言い方"で伝わる
ビジネスにおいて勝負が決まるのは、サービスの中身の違いだけではありません。
その「違い」をどれだけ効果的に言葉にして伝えられるかで、選ばれるかどうかが決まります。
- 中身の違いも大事だが、"言葉"と"印象"で勝負が決まる
- お客様が最終的に選ぶのは「違いが伝わる人」「印象に残る人」
- あなたの強みを"見える化"することで初めて価値が伝わる
ポジショニングは頭の中だけで完結するものではありません。
適切な言葉で表現し、一貫して伝え続けることで、初めてお客様の記憶に刻まれます。
あなたの「違い」が、適切な言葉で伝わっているか、今一度見直してみてください。
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