公開日 2022年3月4日 最終更新日 2022年3月4日
女性起業の中には、心理カウンセラーでもなく、本来の仕事は別なのに、簡単に人の心を扱いたがる人がいます。カウンセリングやセラピーなどです。
非常に危険だと思っているので、プロフィールに簡単に取れる心理カウンセラー資格を入れたり、USPに心を扱うようなものが入っていたりしても、入れない方が良いと助言をしています。
なぜなら心理カウンセリングは、その人の人生を変えてしまうかもしれない。もっと言えば生死に関わる可能性もあるからです。
カウンセラーは誰でも名乗れる
カウンセラーは特に資格がなくても名乗れる仕事です。
もう10年以上前でしょうか。インターネットで交流があり、会ったことはなかった人から、ネット上でのやり取りを見ていて、「カウンセラーが向いていると思う」と勧められたことがありました。
それは離婚カウンセラーでした。当時の私には高額な講座を払う勇気もありませんでした。ただ、起業するのに何ができるか考えていた時期だったので、カウンセラーに興味は持ったのです。
信頼できる人に相談したところ、「離婚を扱うのは、増田さんが精神的にダメージを負い、それに耐えられる人じゃないからやめた方がいい。やるなら普通の心理カウンセラーにした方がいい」と助言をもらいました。
そこでネットでいくつかのスクールの資料を取り寄せました。中には何度も電話をかけて勧誘してきたスクールもあります。
何度も電話をしてくるので、疑問に思ったことを聞いてみました。
「この心理カウンセラー資格は、おたくのスクールが出している資格ですよね?」
「そうです」
「この程度の金額で、これだけの日数で取れてしまうんですね」
「はい。心理カウンセラーを名乗ってお仕事をしていただけます」
「あちこちのスクールで資格を出していますが、もしかしたら特に資格を持っていなくても名乗れる?」
「そうですね。確かにご自身でできる方は学ばずに始める方もいらっしゃいます」
人の心を扱うのに学ばずに名乗れてしまうって、本当に危険だと思いました。もちろんそのスクールには通わなかったし、カウンセラーになることは私には無理だとやめました。
ただ、興味はあったので、なんちゃらセラピーみたいなワンデーで取れる学びはいくつかしましたよ。その学びは人と接する中で活かされてはいますが、カウンセリングやセラピーはしません。あくまでも手段の一つです。
お客様は聞いてもらえてスッキリしただけ
なぜ多くの女性起業家が人の心を扱おうとするのか。
聞いてみると、お客様が「聞いてもらえてスッキリしました」「話して心が軽くなりました」とご感想をくださるからなんですよね。
それで自分は心理カウンセリングができるとか、セラピーができると勘違いをしてしまうのかもしれません。
「心まで軽くなる〇〇サロン」「誰にも言えない悩みが解決する〇〇」みたいなネーミングを提案してくるのです。
けどね、接客しながらお客様のお話を聞くのは極々普通のこと。あなたはお客様の言うことに反論などせず「そうですよね~」と聞いてあげていると思います。
赤の他人には、家族にも友達にも話せない話でもできることがあります。言いたいことを言って、共感してもらえばスッキリしますよね。
本来のカウンセリングとはその人の心の奥底にあることと向き合うことで、世間話や愚痴を聞いてあげることとは違います。
女性は共感力が高く、人の話を聞いてあげるのも得意なので、自分には向いていると勘違いをしてしまう傾向があるのかもしれませんね。
ここで思い出したのが、以前知り合った男性のカウンセラーのことです。
カウンセリングをしてもらった訳ではなく、何かの懇親会で会った時に、ひどいことを言われました。人の心がわからないこの人がカウンセリングをしているんだととても残念に思ったものです。
それも私が言われたことは、相手によっては生死に関わることだったので。(後から謝られましたが)
あなたが責任を負える範囲内のサービス提供を
起業をしたら、あなたが責任が持てる範囲でサービス提供をしてください。
カウンセラーとして起業するなら、数時間で取れる簡単な資格ではなく、ちゃんとスクールに通って学び、実践も積んでからお客様の対応をしてください。
できれば小さな民間資格ではなく、なるべく権威ある資格を取りましょう。
本来の仕事は別にあるのに心を扱おうとしている人も、ワンデーで取れる資格じゃなく、ちゃんとスクールに通って学んでからにしてくださいね。
その上で、どこまでも責任を負う覚悟でやってください。
心が傷付いていいる人は本当に繊細です。思いもよらぬことがおきるかもしれません。
特に感染症や世界情勢で、今は心が傷付いている人が多いです。心の傷は外からは見えないので、あなたが思っているより問題は深刻かもしれないと心してください。
もしかしたら、あなたの言った一言で命を絶ってしまうかもしれないお仕事です。家族から損害賠償請求がくるかもしれません。そこまで考えたことはありますか?
そこまで責任を負う覚悟がないなら、本来の仕事のみの提供にとどめること。責任が持てる範囲内でのサービス提供をしてください。もし、それ以上のことが必要だと感じるお客様がきたら、心の専門家に任せてくださいね。