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個人事業主から法人化したい!法人設立のタイミングと設立で気を付けるポイントについて解説

公開日 2024年11月28日 最終更新日 2024年11月28日

個人事業主の法人成り、法人化するタイミングと法人化する際に気を付けるポイント

 

コンサルティングや講座を受講する方の中で、「法人化を目指しています」とおっしゃる方も少なくありません。

ただ、現実をお話すると、「もっと先の話のようです」とひるむ方もいます。

 

 

とはいえ、来年は数名のクライアントが法人を設立する予定です。

 

 

法人化する理由は、事業拡大、節税、取引先のためなど様々です。

売上が伸びてくると、法人化した方が節税になります。

また、企業によっては「法人としかお付き合いをしない」と言われることもあります。

まだそんなに売上がなくても致し方なく法人を設立しなければならない場合もあります。

 

 

そこで、この記事では個人事業主が法人化するための知識いを書いておきます。

 

 

法人化とは?その基本を理解しよう

法人化の定義と背景

法人化とは、個人事業主が個人の事業を法律上の法人として独立させる経営形態の変更です。

法人成りとも言われています。

 

今は資本金が少なくても法人化ができるようになり、多くの起業家が法人化を選択するようになりました。

法人化のハードルが低くなっているのです。

 

 

法人化の目的と必要性

法人化の主な目的は、事業の信頼性向上、税務上の優遇、リスク管理の強化などです。

個人事業主から法人へ移行することで、取引先からの信頼が高まり、大規模な契約や融資の可能性が広がります。

 

また、法人化により個人資産と事業資産を明確に分離でき、個人的な責任のリスクを軽減できます。

さらに、将来的な事業拡大や投資家誘致を見据えた戦略的な選択肢が増えることも、法人化の重要な意義となります。

 

 

法人化の一般的な流れ

法人化の第一歩は事業形態の選択から始まります。

株式会社か合同会社かを決定し、必要な書類を準備します。

 

 

次に、定款の作成、法務局での登記手続き、税務署への届出が必要になります。

具体的には、資本金の準備、役員の決定、登記申請書類の作成、印鑑登録、税務署への各種届出が含まれます。

 

 

これらの手続きは自分でもできますが、複雑な上、手間暇もかかるので、専門家にお願いすることをおすすめします。

私が法人化した際には、税理士法人との顧問契約を条件にしたキャンペーンがあり、それを利用させてもらいました。

 

 

個人事業主から法人化のメリット

法人化による税金のメリット

法人化することで、税務上の大きなメリットが生まれます。

個人事業主の場合、所得税は累進課税制度により高い税率が適用されますが、法人の場合は法人税率が比較的低く抑えられます。

また、経費の範囲が広がり、より柔軟な節税対策が可能になります。

役員報酬の調整や、留保金の活用など、個人事業主時代よりも効率的な税務管理が実現できるのです。

 

 

信用度の向上と資金調達

法人化は、企業の信用力を大きく高めます。

取引先は法人格を持つ企業を、より信頼性の高い存在と認識します。

 

法人の中には「法人としか取引しない」という企業もあれば、「うちは株式会社としか取引をしない」という企業もあるようです。

 

銀行や金融機関も、法人に対してより前向きな融資姿勢を示します。

さらに、ベンチャーキャピタルや投資家からの資金調達も格段にしやすくなります。

事業の規模や将来性を客観的に評価してもらえる機会が増えるのです。

 

 

事業拡大への道筋

法人化は事業拡大の重要な一歩となります。

株式の発行や持分の譲渡が可能になり、新たな投資家を迎え入れやすくなります。

 

また、社員の採用や福利厚生制度の充実など、組織としての基盤を整備しやすくなります。

将来的な事業承継や、M&Aの可能性も広がり、より戦略的な経営が可能になるのです。

 

ベンチャー企業やスタートアップでは、将来のM&Aを見込んで株式会社を設立するケースが多く見られます。

 

 

法人化に伴う税金の変化

法人税と所得税の違い

法人化すると、個人事業主時代の所得税から法人税に課税方式が変わります。

法人税は所得税と比べて累進課税ではなく、一律の税率が適用されます。

 

また、法人税には法人税率に加えて、地方税や法人住民税も含まれます。

このため、年間所得が高い場合、法人税の方が総合的な税負担を軽減できる可能性が高くなります。

税負担を軽減できるかは、詳細は税理士さんに計算をしてもらってください。

 

 

 

消費税の取り扱い

法人化後の消費税は、個人事業主時代とは異なる取り扱いとなります。

課税売上高が1000万円を超える法人は、原則として消費税の課税事業者となり、消費税の申告と納付が必要になります。

 

一方で、仕入れにかかる消費税を仕入税額控除として計上できるため、事業規模によっては税務上有利になる場合があります。

 

2023年10月からインボイス制度が開始され、法人の消費税に大きな変化をもたらしました。

  1. 仕入税額控除の厳格化
  2. 適格請求書(インボイス)の要求
  3. 登録事業者のみが仕入税額控除可能
  4. 取引先選定への影響

などです。

 

 

役員報酬の設定と税金

法人化後は、自身を役員として役員報酬を受け取ることができます。

役員報酬の金額は、会社の業績や労働対価に応じて適切に設定する必要があります。

 

役員報酬は会社の経費として計上でき、個人の所得税を調整する税務戦略が可能となります。

ただし、役員報酬のせいで赤字決算になることは避けたいので、はじめは控えめにすることをおススメしています。

 

 

法人化後の経営管理

決算業務と会計処理

法人化後は、個人事業主時代よりも複雑な決算業務と会計処理が求められます。

法人は適切な会計帳簿の作成、貸借対照表、損益計算書などの財務諸表の作成が義務付けられています。

 

 

正確な会計処理は、税務申告だけでなく、経営判断にも不可欠な情報となります。

専門的な知識が必要なため、会計ソフトの導入や専門家への相談が推奨されます。

 

 

個人事業主の間は、自分で確定申告を行っていた人でも、法人の決算は知識がないと難しいと思います。

また、個人事業主と比較して税務調査が入る確率も高まります。

税理士と顧問契約を結んでおくといいでしょう。

 

 

税理士との関わり方

法人化後は、税理士との継続的な関係が重要になります。

税理士は、複雑な税務申告、会計処理、法令改正への対応などをサポートしてくれます。

 

月次または四半期ごとの会計相談、年次の決算支援、税務申告のチェックなど、専門家としての役割は非常に大きくなります。

適切な税理士を選び、緊密なコミュニケーションを取っておきましょう。

 

 

社会保険の加入と負担

法人化すると、社会保険の加入形態が変わります。

役員は個人事業主時代とは異なる社会保険制度に加入することになります。

 

 

法人から役員報酬を受け取る場合、健康保険、厚生年金保険への加入が必要になり、保険料の負担方法も変わります。

厚生年金保険に加入できるのも法人化の大きなメリットではないでしょうか。

 

 

また、従業員を雇用する場合は、より複雑な社会保険の管理が求められるため、専門家に相談することをおすすめします。

 

 

法人化後の事業形態の選択

株式会社 vs 合同会社

法人化する際は、株式会社と合同会社のどちらを選択するか迷う方も多いと思います。

私もかなり迷いました。

 

株式会社は、資本金や株主総会、取締役会などの組織運営が厳格で、上場や資金調達に有利です。

一方、合同会社は比較的設立が簡単で、運営の自由度が高く、小規模事業に適しています。

 

 

事業内容に応じた選択基準

事業の性質によって、最適な法人形態は異なります。

技術系スタートアップは株式会社が多く、士業や小規模サービス業は合同会社を選ぶケースが多い印象です。

 

合同会社の方が格下のイメージがあるかもしれませんが、GoogleやAmazonも合同会社です。

 

toCの仕事であれば合同会社でも十分。

まだ「株式会社としか取引をしない」という企業もあるので、toBの仕事であれば株式会社を選択しておいた方が無難かもしれません。

 

 

法人設立時にかかる費用

株式会社設立にかかる費用

株式会社の設立には、登録免許税、定款認証料、印鑑証明書取得費用などが必要です。

資本金の最低額は1円から可能ですが、実務上は最低でも百万円程度は用意しておいた方がいいでしょう。

 

登記手続きや書類作成の専門家への報酬、登記印紙代など、総額で20万円程度の初期費用がかかります。

 

 

合同会社設立にかかる費用

合同会社の設立費用は、株式会社よりもやや低く抑えられます。

定款作成費用、登記費用、印鑑証明書取得費用など、総額で10万円程度が目安となります。

ただし、具体的な費用は、事前に複数の専門家から見積もりを取ることをおすすめします。

 

法人設立時に安心できる資本金

法人設立は1円からできるとはいえ、1円では名刺を作ることも、ウェブサイトの維持費も払えません。

また、資本金は公表されているので、余りにも少ない資本金の場合、信頼性に欠ける部分もあります。

 

 

個人事業主から法人成りする場合、ある程度売上が見込めている状態かと思います。

とはいえ、思うように売上が伸びない場合も想定されます。

売上がなくても固定費や外注費、役員報酬などかかります。

 

 

では、どれくらいの資本金を準備して法人を設立すればいいのでしょうか。

 

 

最低でも3か月、できれば6か月分の運営資金を資本金として準備しておきたいものです。

例えば毎月固定費や外注費、役員報酬などで50万円かかるのであれば、3か月分なら150万円、6か月分なら300万円です。

それだけの資本金を準備して設立すれば安心できるかと思います。

 

 

法人化することに不安な人へのメッセージ

法人化は大きな決断ですよね。

私も不安を感じながら、法人を設立しました。

 

 

法人を設立する際、当時の税理士に

「法人化して大丈夫なのでしょうか。この先どうなるかわからないのに」

税理士さんの答えは

「大丈夫ですよ。法人化すると皆さんスイッチが入るので」

 

 

実感としてスイッチが入りました(笑)

社会的責任を感じて必死になるのですよ。

 

 

法人は作るのは簡単です。

2~3週間もあれば設立できてしまいますが大切なのは作ったあとです。

 

 

とはいえ法人化はひとつのロマンでもあります。

熟慮し、専門家に相談をして、決意が固まったら法人化してくださいね。

 

 

 

 

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増田恵美

WEBマーケティングセミナー、SNSマーケティングセミナー講師。 WEBマーケティングコンサルタントとして活動中。WEBを活用したデジタルマーケティング、検索に強いサイト作り、売り込まなくても喜んで買ってもらえる仕組み作りを得意としている。女性心理のツボを突く集客で好評をいただいております。

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